ブジェチスラフ・ポヤルBřetislav Pojar
その存在、
もはやアニメーションの一つのジャンル
1923年10月7日スシツェ生まれ。1945年に設立されたスタジオ、トリックブラザースにてイジー・トルンカのアニメ映画のアニメーターとして働き、「バヤヤ」「草原の歌」「チェコの古代伝説」「善良な兵士シュヴェイク」など、世界的に評価の高いアニメの制作に携わりました。1951年に監督としてデビュー。1954年の「飲みすぎた一杯」ではカンヌ国際映画祭等、数々の国際映画祭で多くの賞を受賞し、国際的に高い評価を得、それ以後、ヨーロッパにおけるアニメ界の重要な人物として、常にその作品は注目を浴び、その活動そのものが、世界のアニメ史の一部となっています。海外の国際映画祭においてチェコスロヴァキア映画の代表に何度も選ばれ、カンヌやベネツィア、ロカルノ、アヌシー等で多くの賞や評価を得、また、数多くの海外の映画祭の国際審査委員会でも活躍しています。1990年、チェコ国立芸術アカデミー映画学部の教授に就任。2008年10月28日のチェコ建国記念日、経済・学問・文化・芸術等、各ジャンルから選ばれる国に対して功績のあった30名の一人として大統領から功労賞メダルという国家賞が授与されました。
戦後始まったチェコアニメの“黄金時代”から、今日まで、チェコアニメの中心にいたのがブジェチスラフ・ポヤルです。1969年にイジー・トルンカが亡くなって以来、ポヤルがチェコアニメの世界的な評価を高め、数多くの作品を世に輩出してきました。叙情的に訴える作品から、ユーモアたっぷりの子ども向けの作品、世の中を攻撃的に風刺する作品まで作り、そのすべてが、芸術的に評価が高く、世界中のアニメーション作家に多大な影響を与えました。ポヤルは、監督として数多くの優秀なデザイナーと共に、2Dのアニメも作ってきました。2010年に87歳で日本との合作アニメーション「ぼくのともだち」を完成させ、2012年10月12日に亡くなるまで、その創作意欲はなくなりませんでした。65年を超える彼のキャリアは、“チェコアニメそのもの”であり、受賞歴は100を超え、彼の作品を見れば、チェコアニメが分かり、チェコアニメの素晴らしさが分かり、そしてアニメーションを見る楽しさが分かってきます。