ヨゼフ・パレチェクJosef Paleček

~世界一美しいアニメーション~

1932年2月25日イフラバ生まれ。カレル大学教育学部教育学科卒業。1960年よりフリーの画家・イラストレーターとして活動を始め、個展を次々と開催し好評を得ました。1973年、夫人のリブシェ・パレチコヴァーとともに、ノルド・ズッド社に絵本の企画を提案し、最初の絵本を出版。以後、日本、ドイツ、イタリア、オーストリア、スイス等20か国以上の国で絵本を出版しています。チェコの文化庁が選定する「最も美しい絵本賞」に何度も選ばれています。

ヨゼフ・パレチェク

~1枚の絵が持つドラマ~

自らの絵本を“色で語る視覚芸術”という彼の絵本の色彩は、文章以上に読者に語りかける力を持っています。代表作は「ちびとらちゃん」「かばのティリーネック」「ちいさなよるのおんがくかい」「イグナツとちょうちょ」等。また、アニメシリーズ番組として「けしのみ太郎」「カシュパーレクとホンザ」のデザイナーを、また短編アニメーション映画の「ちびとらちゃん」「かばのティリーネック」「魔法の果樹園」のデザイナーを担当し、アニメーション作家としても大活躍しました。これほどの色彩の豊かさ、美しさは、他のアニメーションでは見たことがありません。“子どものために”というと、大人目線になりがちですが、パレチェクはいまだ“子どもそのもの”です。新作の絵を描くと、興奮して説明します。自分の絵の感想を待つ間、先生に呼び出された子どものように緊張します。絶賛されると、「やっぱり君は見る目がある!」と大喜びします。

~不朽の芸術品~

パレチェクの絵を見ると、しばらく時間を忘れて魅入ってしまいます。彼の1枚の絵の中にはたくさんのドラマがあります。それを一つ一つ発見していくと、あっという間に時間が経ってしまいます。彼にかかれば、どんなに貧しい場面も恐ろしい動物も美しく可愛く、温かくなります。共産主義時代、絵本とアニメーション以外の創作に規制が強くなければ、彼は、油絵や水彩画の大家としてモネやセザンヌやゴッホらと肩を並べる存在として評価されていたかも知れません。時代は彼を苦しめましたが、私たちは、彼の作品を絵本やアニメーションで見れることに、この上ない贅沢と幸せを感じることが出来ます。

©Krátký Film Praha,a.s., Josef Paleček